介護現場のリーダー育成
~厚労省、人材定着狙う~
厚生労働省は介護現場への定着を進めるため、リーダー級の介護士の育成に力を入れる。民間コンサルティング会社などが持つ企業向けの人材育成やチーム運営のノウハウを活用し、処遇の改善も絡めて介護ニーズの拡大に対応する。2020年度に30程度の自治体で始め、21年度以降に全国に広げる方針だ。
介護サービスの質の向上に対する意欲の高い都道府県などを選び、コンサルティング会社や職能団体と協力してリーダー級の介護士の育成を資金面で支援する。優れた手法をロールモデルとし、全国に広める。現場任せでは様々な介護ニーズに対応することが難しくなっており、企業などで培われた人材育成のノウハウなどを活用する。
政府は10月の介護報酬改定で、経験・技能があるリーダー級の介護士の処遇を改善した場合に介護報酬を上乗せする「特定処遇改善加算」を導入した。リーダー級の職員の給与を全産業の平均年収に劣らない水準まで引き上げる狙いがある。介護関係者の有効求人倍率は3.95倍と全職種(1.46倍)の2倍以上で、今後も人手不足がさらに深刻化する恐れがある。
2019年11月18日付 日経新聞より