厚生労働省は11日、介護福祉士国家試験パート合格(分割合格)の導入に関する検討会で、国家試験の科目を三つに分類し、合格水準に達したパートは翌年度の試験で免除する方針などを盛り込んだ報告書案を示した。2026年1月の国家試験から導入する。受験者のうち働いているのは8割で、その多くが就労と学習を並行して取り組んでいるという。報告書は受験しやすい仕組みの導入が必要だと指摘している。
具体策として、国家試験の13科目を三つのパートに分け、合格水準に達したパートは翌年度の試験で受験を免除する「パート合格」の導入を挙げた。
導入時期は26年1月とし、パート合格の有効期限は受験年の翌々年までとする。合格基準は総得点の6割程度とし、試験科目群すべてで得点があることなど現行と同様とする。
★具体的な パート分割方法
受験者の利便性、学習の取り組みやすさ、運営側の負担などを考慮し、介護福祉士の国試を大きく3つのパートに分割する。実際のパート分けは、各科目の出題数やつながり、領域のまとまりなどを踏まえて行う。厚労省は「各パートはバランスがとれたものとなる。出題数はCパートが他より少ないが、科目の特性で事例問題が多くなることから、解答にかかる時間に大きな差異はない」と説明している。
Aパート
介護の理念や考え方、制度に関する知識と具体的な技術を問う科目
試験科目(出題数60)
人間の尊厳と自立、介護の基本、社会の理解、人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、生活支援技術
Bパート
身体の構造や機能、介護の対象者が抱える疾病や障害の理解を問う科目
試験科目(出題数45)
こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア
Cパート
知識や技術を具体的な支援場面や特定の事例に適用させる科目
試験科目(出題数20)
介護過程、総合問題
★受験方法
紹介受験は、全てのパートを受験する。再受験時は既に合格したパートを受験するか否かは受験者が選択できる。午前中にAパート、午後にBパートとCパートを実施。Bパート、Cパートの試験は連続して行い、Bパートのみ、Cパートのみの受験者は、試験時間終了後速やかに会場から退出。
受験を目指す人の学習の後押しや資格取得への意欲の維持につながるとよい(厚労省)
参考:福祉新聞