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「介護、ITで生産性改善」-厚労省、現場報告書を電子化 文書の半減目指す!!-

2019.05.26更新

介護、ITで生産性改善

 

厚労省、現場報告書を電子化 ~文書の半減めざす~

厚生労働省が介護事業の生産性改善に向けた取り組みを進める。2018年度から現場スタッフによる行政への報告を電子化し、介護現場で作成する文書量の半減をめざす。事務作業を効率化することで利用者へのサービスに回す時間を増やせるようにする。介護事業にIT(情報技術)を幅広く活用し、製造業などに比べて低い労働生産性の底上げにつなげる。

 

政府は昨年末にまとめた生産性革命の方策で、介護現場の生産性向上を柱に1つに位置づけた。20年までにITを全面導入したシステムの整備をめざしており、行政への報告書の電子化が第一弾となる。

厚労省の調査によると、介護の現場で働くケアマネジャーの仕事の悩みは「記録する書式が多く、手間がかかる」が最も多く、7割を占めた。

 

ケアマネジャーやヘルパーは、提供したサービスの結果を所定の用紙に記入して自治体に報告しなければならない。報告者は事業者の収入となる介護報酬の計算に使われる。職員の中には仕事の多くの時間を書類作成に費やす場合がある。

 

これを踏まえ、厚労省は電子情報で報告書を受け取りやすくするシステムを整える。マイナンバーの個人用のサイト「マイナポータル」を使い、介護現場からタブレットなどで送信できるようにする。事務作業に費やしていた時間を利用者へのサービス提供に回せれば、職員1人あたりで対応する利用者の数が増えて生産性が向上し、介護事業者の報酬額を引き上げる効果も期待できる。

 

介護事業者は職員が自治体に提供した報告書を紙で保管していることが大半だ。自治体のチェックの際に書類を求められるケースがあるためだという。事業者からは「紙の保存にも労力がかかる」との声が多い。電子化すれば保存の手間が省け事務効率化が見込める。

 

 

介護事業の労働生産性は他の業種に比べて低い。総務省によると、社会福祉・介護事業の従業者1人当たりの付加価値額(労働生産性)は288万円で、製造業の607万円に比べ半分以下だ。

 

介護人材は全国で約180万人おり、このうちケアマネジャーやヘルパーは60万人を超える。介護サービスは高齢化で需要が伸び続ける一方、人手不足が深刻だ。思うように増えない理由の1つに賃金がある。16年の介護職員の平均月給は215千円で、全産業平均(304千円)の7割程度だ。労働生産性を高めて給与が増えれば、事態が変わる可能性もある。

 

政府は介護事業所の生産性を上げるため、業務効率化に役立つ事例集もまとめる。介護業界は小規模な事業者が多く、省力化のための投資が十分に進んでいないためだ。

 

18年度中に訪問介護や通所介護(デイサービス)などの事業所に経営コンサルタントなどの専門家を派遣し、無駄を省く取り組みを検討する。写真付きマニュアルで教育の手間を軽くするなど、現場の実情に合った助言をまとめる計画だ。

 

         1/23付 日本経済新聞より